YES is Love (TEAM GOGO! 2007) 呼びかけ人メッセージ
 
   

ただ”仕事”をするのではなく、”天から与えられた、それぞれの役割”を生きる セヴァン・カリス=スズキ(Severn Cullis-Suzuki)


最近のニュースや新聞などからご存知の方も多いと思いますが、21世紀の世界の特徴として、"気候の変化・地球温暖化"が話題になっています。
この話題は、単に環境活動家や情報メディアだけが取り上げているのではなく、ペンタゴン(米国国防総省)やイギリス政府の経済学者からも発せられています。

"急激な気候の変化"は、地理的環境や政治的環境を不安定にします。限られた資源をめぐって小さな争いが起き、やがて内戦、あげくは本格的な戦争をも引き起こす可能性があります。
『米国国防総省への報告書』は、"急激な気候の変化"はまだ不確かで小さく終わる可能性もあるけれど、壊滅的な結果を招く危険性があるため、この問題は科学者たちの場だけでなく、アメリカの国家保安委員会でも取り上げるべきだと提案しています。(米国国防総省への報告書:「急激な気候の変化の予測と米国国家保安との 関係性」、2003年提出)

気候の変化に関する科学的な証拠は十分すぎるほどあります。いまや気候の変化は世界にとって深刻な脅威となっていて、世界規模の緊急対応を必要としています。
イギリスの経済学者スターンは、(イギリス政府から要請を受けて)あらゆる証拠を集めて「スターン報告書」をまとめましたが、そこには、ひとつの明快な結論がありました。
それは、気候の変化に対し、今、早急に断固とした対応をとることによって得られる"未来の利益"は、このまま無策でいることによってもたらされる"不利益"とは比べものにならないほど大きいということです。(スターン報告書:気候変動の経済学、2006年)

彼等は、企業も経済界もやはり変化しなければならないと告げています。

これらの警告に敬意を払って、私たちは将来の計画をどのようにもつべきでしょうか? どのような仕事やキャリアといったものが期待できるでしょう? 

古代の天才たちは、「必要は発明の母である」と言いました。
実際、人類は追いつめられるまで変化を受け入れません。しかし最終的に変化を迫られた時、いつも、より良い道具を発明し、より良い解決法を見いだしてきました。
気候の変化は、非効率的で汚染を広げる方法を取り続けてきた人類につきつけられた挑戦であり、私たちにより良い解決方法を探すよう訴えているのです。それだけのことです。私たちに選択の余地はありません。この挑戦を受けなければなりません。
そして、私たちがこの挑戦を受け止めることによって、新たな機会とキャリア、雇用にあふれた新しい世界が現われることでしょう。

「よいこと」をすることによって物事がうまくいく例は飛躍的に増えています。
「インターフェイス カーペット社」(世界最大のカーペット会社)は、そのひとつです。代表取締役のレイ・アンダーソン氏は、彼の念願であった「Sustainable Vision(持続可能な構想)」を採用することによって、生産の副産物である廃棄物が急激に減り、清浄な水の放出量が使用量を上回り、エネルギーの生産性が高まっただけでなく、彼の会社がカーペット業界で最大の会社になったと語っています。

私たちのように、社会で働き始めた若い世代には、21世紀初頭の傾向というものが見てとれます。
すでに地位を確立した専門家たちは、現状を維持することで利益を得ており、 政府が産業界に課した京都議定書や環境保護のための規制に反発しています。
しかし、思い出して下さい。70年代にジェネラルモーターズは「シートベルトと排気ガス浄化装置は、コストがかかりすぎるので自動車業界と経済に絶大なダメージを与えるであろう」と言いました。でも、現在、シートベルト規制は不可欠なものとなっています。
シートベルト規制のように、環境規制も避けられないものです。

もし、私たちの世代がこの現実を受け入れるならば、地球環境問題は、持続可能な社会のあらゆる分野の専門家を生み出し、持続可能な社会へ移行するために必要な技術革新をもたらすでしょう。
現在の市場と産業は新しい方法へ移行しなければなりませんし、全く新たな市場と産業が開発されなければなりません。
環境に優しい、持続可能な社会へ移行するためには、大胆な都市計画専門家、革新的な大工さん、大胆不敵な建築設計士、あらゆる種類の独創的なデザイナー、あちこちに存在する都市庭園専門家、情熱的な自転車の専門家、勇気ある政治家、将来を見通す目をもつ教師たち、そしてあらゆる分野において人を組織する人々が必要となります。
私たちがどのような分野に関心をもったとしても、そのテーマはいつも、持続可能な社会を作ること、環境に優しい方向へと私たちの社会が移行できることでなければなりません。
私たちの世代は、ただ単に仕事をするのではなく、それぞれが天から与えられた役割をして生きていくのです。

気候問題に取り組み、環境の持続性を生み出すために、あらゆる分野でビジョンと目的が必要とされています。
私たちが選ぶ仕事や就く職業も21世紀への移行の中で変わるでしょう。変化は既に現れています。私たちは新しい世界秩序に向かって動きはじめています。
もし、私たちが、見通しをしっかりと持ち続け、持続可能な社会への移行に覚悟して臨むなら、この地球規模の困難なチャレンジは、"大きなチャンス"であることが実感でき、私たちの世代のエコロジー的な、社会的な役割の中に希望を見つけることができるでしょう。

セヴァン・カリス=スズキ

 

【翻訳協力:浅野由子・阿野陽子・鈴木美抄・渡辺文恵・中村多恵子・他1名】

 

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